マンダレイ

dough2006-03-03


昨日書けなかった日記ですが…
急に試写会に行けることになったので、新橋ヤクルトホールで鑑賞。
ラース・フォン・トリアー監督の最新作で、「グットヴィル」に続く
アメリカ三部作」の第二弾だそうです(そんな三部作があるとは知らず)。
でも「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を観た時にあまりにもつらくて、(確かrikenさんと一緒でした)、
どうも恐くて「グットヴィル」は 観に行けなかったんです。
今回も誰かお誘いしたかったのですが、なにぶん急だったので勇気をもってひとりでチャレンジしてみました。


結果…


観終わった後、怒ることもできず、泣く事もできず。
日頃なんとなく見たくないなと思って過ごしている、人間のエゴや虚栄心や偽善や
欺瞞や欲や思い上がりなどといった、生々しいものをこれでもかと見せ付けられて、
途中でちょっと耐えられないかもと思う瞬間もありました。
やっぱり、お化けや悪魔より恐いのは人間。
(ちなみにこれで「アメリカには行ったことがない」と言う監督も恐い…)


ただなんとなくこんな風に描かれてしまうと悔しい気がしました。


もちろん映画としてはすごくよくできていてぐっと引き込まれたし、
(チャプタ−で綴る構成とか美術形式は「ドッグヴィル」と同じみたい)、
カンヌで絶賛されたのもよくわかるのですが、フィクション(娯楽)と わりきって捉えることも、
これに影響されて何か劇的に変化するようなことも今のわたしにはできません。

作品のテーマは、アメリカ(とゆうか世界)最古かつ最大の問題:人種差別。
実はこれは表面上のテーマに過ぎないと思うものの、ここのところずっとわたしが
ひそかに気にしていることがあるのでまだ全然まとまっていないですが少し書いてみます。
(バカなのがバレバレで恥ずかしいですが…以下、完全に独り言です)


人間には、他の人間を差別して迫害したくなる欲求がある。


わたしは、韓国が好きでここ2年ほど様々な情報を得ているのですが、やっぱり聞くに堪えないような
罵詈雑言(とわたしには感じられる)を目にすることもあります。
ソウルの屋台でウドンをご馳走してくれた見知らぬ韓国人のおじさんが語ってくれた
日本(人)に対する思いも忘れられません。


わたしは誰の意見もそのまま鵜呑みにするのはよくないと思うし、
それに反論?するほどの知識も信念も今は持ち合わせていないので、
いろんな立場の人の意見や情報(なるべく事実に近いもの)を得て、
自分の立場を確立したいとずっと試行錯誤しているのですが、調べるほどその欲求の源?にあるものが
何だかわからなくて恐ろしくなります。


ただ、自分の中には「他者を陥れることで自己の優位性を保ちたくなる欲求」がすごくあって、
それがそういう方向に発動する時がやがて来るのかもしれません。
「○○人は出て行け」「肌の色が違うから嫌い」というアイディアは 正直あまりピンときませんが、
今の自分がどれくらいそういうものに捕われているのか知りたい気持ちがあります。


最近では、この前「ホテル・ルワンダ」を観た時もそう思ったし、
映画評論家の町山さんのブログが荒れる?のを目にした時も思いました。
ずっと頭に置いていることがあると、どんなことに触れてもそれに結びつけて考えてしまうものですね。