親切なクムジャさん


第18回東京国際映画祭の特別招待作品として
オーチャードホールで上映されるのを見てきました。
パク・チャヌク監督の「復讐三部作」のラストを飾る作品です。
当時できたての渋谷CQNアミューズで第二作「オールド・ボーイ」を朝イチで見たのが去年12月。
それから第一作「復讐者に憐れみを」を新宿武蔵野館のレイトショーで見たのが今年の2月。
どちらもとても衝撃的だったので、観た日のこともよーく覚えています。


そして、わたしはずっとこの「親切なクムジャさん」が見たいと思っていました。
今年の春にクランクインしたとか、7月に韓国で公開されたとか、
そういったニュースを地味に韓国のサイトでチェックしては
「早く日本で公開されないかな」と待っていました。
こんなに映画を待ち遠しいと思ったのは生まれて初めてです。


そして、同時にずっと見たくないとも思っていました。
この三部作は残酷なシーンも多いし、「頭のおかしい人が見る映画だ」と言われたこともありましたが、
わたしにとっては幸せな時間の象徴のようでもありました。だからずっと終わって欲しくない。
観ている間中、そう思っていました。


肝心の内容は、展開があちこちにとぶのでちょっとついていけなかったところもあって、
あんまりご紹介できません。(公開前のネタバレになっちゃうからそれでいいのかしら・・・)
クムジャさんの復讐は、三部作の中で一番予測がつかなくて難しかったと思います。
最後は、「もし復讐をコンプリートしてしまったらその後結局生きていけないんじゃないのかな」
という私が前回抱いた疑問に対しては、そうか、監督の中での答えは
きっとこういうことなんだな・・・と考えさせられるものがあったので、
その点はよかったかなと思いました。


残念ながら、監督も主演のイ・ヨンエもスケジュールの都合で来日できなかったということで
(てゆうか東京国際映画祭って力がないんですネ・・・)予定されていた「舞台挨拶」は
寒々しいものがありましたが、それでもわたしの中では特別な舞台で幕を閉じることができたと思います。
※今イ・ヨンエを来日させようとしているらしく、 今日もメッセージを募集したり
 会場の様子を録画していたので、 もしかしたら11月12日公開日の舞台挨拶等には来るかもしれないです。


今後、もし自分の中で何かが整理できるようになったら、またこの映画を観たいと思います。
あまりお勧めできる内容でもないのですが、もしこれから観る予定の人がいたら
その時はこっそり感想を教えてください。


「この復讐を終えたら、真っ白な私に戻りたい」というキャッチフレーズと、
イ・ヨンエの言った「안녕히 가세요」(見送る側が言う「さようなら」)が特に印象に残りました。